暑さ対策の可能性“濡れない霧”ドライミスト。でも、水道に直結する簡易タイプはホームセンターで見かけなくなったよね。
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2005年の愛・地球博(愛知県)の「グローバル・ループ」 六本木ヒルズのメインエントランス「66プラザ」、秋葉原クロスフィールド、新丸の内ビルなどで導入された「ドライミスト」と呼ぶ新しいタイプの冷房装置 。
水に圧力をかけて霧状に噴出し、それが空気中で蒸発するときの気化熱吸収作用を利用して、周辺の気温を下げる。空気中で蒸発してなくなる大きさまで水滴を小さくすることで、気温は下がるものの、人は濡れたと感じない。
そのニュースを見たとき、商店街、ショッピングモール、工場、テーマパーク、レジャー施設など大型の施設から、園芸店や八百屋やスーパーマーケットなど、入り口を開放していることで、クーラーが使えない施設に急速に導入されるのでは?と想像したのですが、一部試験的に導入されているだけで、大規模な導入の流れは起きませんでした。
同時期に、ホームセンターで、水道直結の簡易型のドライミストシステム(簡易型なので、濡れる)が、扱われていたのですが、最近は見かけません。
導入コストやランニングコストが高価?耐久性が低く壊れやすい?などの可能性はあるのですが、実際のところどうなんだろと疑問に思いました。
気になったことは、インターネットで情報収集です。
2008年の記事です。ドライミストの考案者である東京理科大学・辻本誠教授へのインタビュー記事です。
「超磁歪素子」を利用したポンプで、6MPa(60気圧)もの水圧を生み出し、特殊なノズルで約16ミクロン(1ミクロンは0.001mm) の霧状にするところが 技術的なポイントとのこと。高圧の水を用いることで「1流体式」ノズル で、微細な霧を実現しています。水と空気という2つの流体を同時に吹いて霧を作り出す「2流体式」ノズルより、噴出に必要なエネルギー消費量を2流体ノズルの約1/10と小さくできる利点があるそうです。
辻本教授の研究室のブログでは、ドライミストシステムを構築するための方法について紹介しています。2013年より更新されていません。
ブログによるとその記事の時点では、あまり運転コストはあまり低くないようです。
ドライミスト研究・開発 blog*****東京理科大学 工学部 建築学科 辻本研究室〜ドライミストによる環境改善に関する研究開発〜 - livedoor Blog(ブログ)
ただ、六本木ヒルズでは「ドライミスト」増設工事が行われているので、費用対効果は十分出ていると推測できます。どういった視点と費用計算で増設が判断されたかにとても興味がありますが、記事には記述がありません。
六本木ヒルズ「ドライミスト」増設工事により設置エリアが約4倍に拡大 | ニュースリリース|プレスルーム|森ビル株式会社 - MORI Building
2005年の愛・地球博(愛知県)の「グローバル・ループ」 六本木ヒルズのメインエントランス「66プラザ」の例は、ドライミスト関連商品のサイトで、取扱商品が使われているような記述が多いのです。よく読むと違うことが多いです。
2005年の愛・地球博(愛知県)の「グローバル・ループ」 六本木ヒルズのメインエントランス「66プラザ」関連業者(おそらく)
ドライミストの商標は、能美防災株式会社が所有しているようです。
家庭用製品や小規模施設の場合は、こちら
大型施設の場合は、こちらになるのでしょうか?
超高圧ポンプを使わないミストによる冷却であれば他に幾つかの選択肢があります。
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ドライミストシステム「ミスティ」東福株式会社 東京都 細霧冷房 散水システム
ミスト散布機能付き送風機
水道直結のミストシャワー は、濡れるので、扱いが面倒なので下火になったのでは?と思うのですが、具体的な記述は見当たりませんでした。面倒なのかな?
ドライミストとその類似システムに関しては、ちょっと調べた範囲では、具体的な情報が見つかりません。企業などで、導入調査のための予備調査を行う許可を得るための資料作成に苦労しそうな気がします。それが、あまり導入されていない原因なのかもしれません。
6MPa(60気圧) 程度なら、高圧ポンプメーカーが多く参入してもおかしくないけど、動きは無いようです。
普及していない理由がなにかありそうなのだけど、わからない。もやもやする。