AIによる防犯支援
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AIを使用した画像解析を防犯に役立てる取り組みは、様々な方向から検討されています。そのいくつかは、実際に、サービスとして提供されています。
AIによる万引き防止システム「AIガードマン」
NTT東日本(東日本電信電話株式会社 )が、アースアイズ株式会社が提供する行動検知AIを活用した防犯システムを使った、万引き防止AIサービス「AIガードマン」を2018年6月下旬から提供することを発表した。
しくみ
AIカメラで、来店客の不審行動(うろうろ、きょろきょろなど)を逃さず検知し、AIクラウドから店員がもつスマートフォンに検知情報(検知場所、静止画など)を通知するサービスです。 通知を受けた店員は、不審行動を行なう来店客に「声掛け」をすることで、他の来店客に不快な思いをさせることなく、万引きを抑制することができます。
AIカメラが、画像解析を行なうため、防犯カメラの映像を監視する必要はなくなります。防犯カメラは、ほとんどの場合、撮影しているだけで、何か問題が起きたときに記録として使用する運用がされているものと思われます。AIカメラが、不審行動を知らせてくれることで、万引きを未然に防止できることが期待できます。
使用するAIカメラは、高価です。これは、カメラに不審行動を判断するAIが搭載されていることが理由と思われます。そこで、検知角度、検知距離の向上により、必要なAIカメラの数を少なくする取り組みがされています。しかし、それでも、現状では高価であるため、繁華街の店舗など、来店客数や売上の多い店舗でのみ活用する方向になると思われます。
画像は、クラウド上に保管され、解析パターンはクラウド上から提供されます。それにより、利用者は、システムを維持するための作業を必要としていません。
システムは、不審行動を行なう顧客の存在をスマートフォンなどに知らせてくれるだけなので、それなりの数の店員が必要になると考えられます。実際に、公開されたトライアルの結果では、万引きによる商品ロスの削減は4割減にとなっています。
トライアルの結果
- ドラッグストア 売り場面積300平方メートル
- 年間売上 4億円
- 万引きによる商品ロス額
- 導入前:年間350万円
- 導入後:年間200万円(150万円減少(約4割減))
導入に向けて
このトライアルにおける、来店人数、店員の数、導入したAIカメラの数についての情報は、見つけられなかったので、導入を検討する際は、忘れずに問い合わせて判断する必要があると思われます。
万引きの抑制が、「店員の不審行動を行う顧客への声かけ」に依存しているため、店員の数で律速(ボトルネック)になっている可能性を考えておく必要があります。この状態であれば、AIカメラの性能が向上しても、万引き被害額の減少は、期待できません。
売上の多い旗艦店では、導入を検討する価値があるかと思います。
天井近くまで、商品を陳列するドン・キホーテ・スタイルの陳列方式にも対応できるのかは、興味深いところでです。
来店車両の車番(ナンバープレート)認識システム
車番(ナンバープレート)認識システム は、AIには分類されないかもしれませんが、幹線道路に設置されているNシステムを始め、確立した技術です。
敷地内の入場車両の制限だけでなく、車番と顧客情報を結びつけることで、車から降りて来店する前に、顧客情報を確認することができるなど、顧客へのサービス向上に役立てることができます。
実際には、車番(ナンバープレート)認識するだけなので、この情報をどのように利用して、セキュリティの向上や顧客サービスの向上に結びつけるかを考える必要があります。
電話の着信番号で、顧客データを呼び出す
電話には、ナンバーディスプレイ(IP電話では、サービス提供会社により名称が異なる)を始め、発信元の電話番号を通知するシステムがあります。この電話番号で、データベース上の顧客情報を呼び出すことで、顧客サービスの向上に役立てたり、予約のドタキャンが多い顧客を電話口で特定することができます。
システムを発注する場合は、コールセンターシステムに強い企業に発注する方法の他に、様々なサービスが存在します。
予約キャンセル・ドタキャン防止システム
データの入力ミス、電話番号の所有者が変わっている可能性もあるので、利用する際は注意しましょう。
全日本飲食店協会が、無料で提供する「ドタキャン防止システム」。飲食店の「ドタキャン」を行う利用者を、業界全体で共有するデータベースに登録することで、新規で予約を受けた場合でも、他店でのドタキャン履歴を確認することができます。そして、ドタキャン回数が多い利用者に対する対応を変えることができます。
ナンバーディスプレイの情報をパソコンに取り込む装置
電話の内容をパソコンに録音する装置
顔認証
AIによる顔パスが実現できます。セキュリティ分野だけでなく、介護施設の徘徊防止、顧客サービスなど幅広い可能性を持っています。
歩容認証
歩き方でも個人を特定する方法が研究されています。