ドローイング空間

3D-CADを中心に、雑多なことをかいています。

Fusion360で、サーフェスを使用して、テーパねじ(R1/8オスネジ)をモデリングした

広告

前回、ソリッドで、テーパねじ(R1/8オスネジ)をモデリングしたので、今回は、サーフェスモデリングできるか確認することにしました。

f:id:kukekko:20200229233317p:plain

テーパーねじ

 

 

kukekko.hatenablog.com

 

UIの変更前は、Fusion360では、パッチと呼ばれていましたが、UIの変更後、3D-CADで一般的なサーフェスという名称に変更されました。

3D-CADで自由曲面を多用した形状をモデリングする場合は、一般的には、サーフェスモデリングします。

基準軸を表示する

基準軸を表示します。

モデリングしているうちに向きがわからなくなることがあるので、基準軸を表示します。

基準軸を表示します。

傾斜のある円柱を作成する

基準フィーチャサーフェスを選択し、スケッチを選択します。

f:id:kukekko:20200229224617p:plain

サーフェス スケッチ

XZ平面を指定します。

XZ平面は、正面図の向きに相当します。

XZ平面を指定します。

テーパーねじを作成する円柱を作成するためのスケッチを作成します。

テーパーねじの傾斜は、0.5/16です。Fusion 360のスケッチ機能で計算すると d°です。

おねじの場合、先端が細くなります。先端から、「基準の長さ a 」そして「有効ねじの長さ l」でパラメータとして、値が指定されています(JIS B 0203)。「基準の長さ a 」と「有効ねじの長さ l」の境目が、傾斜のある円柱の径の基準位置になります。

f:id:kukekko:20200229224725p:plain

円柱の断面スケッチ

作成から、回転を選択します。

f:id:kukekko:20200229224802p:plain

サーフェス 回転

回転で、円筒を作成します。

f:id:kukekko:20200229224937p:plain

回転で円筒を作成する

パスとして使用する螺旋のスケッチを取得する

ねじの形状は、ねじの形状の断面スケッチをパスに沿って移動させ、その軌跡を削除することで作成します(スイープ)。

パスとして使用する螺旋のスケッチが必要になります。今回は、円柱から、ねじのスケッチを削除して作成するため、ねじの谷に沿った螺旋のスケッチが必要です。

Fusion360では、螺旋のスケッチは、コイルの稜線から作成します。そのため、まず、目的の螺旋のスケッチが得られるコイルを作成する必要があります。

「基準フィーチャサーフェス」には、螺旋のスケッチを作成する機能が用意されていないので、「基準フィーチャソリッド」に移動します。

f:id:kukekko:20200229225024p:plain

基準フィーチャ ソリッド

作成から、コイルを選択します。

作成 - コイル

作成 - コイル

YZ平面を選択します。

 

YZ平面を選択します。

YZ平面を選択します。

ねじの谷の径、8.566を入力します。

ねじの谷の径、8.566を入力します。

ねじの谷の径、8.566を入力します。

有効ネジ部側のコイルを作成します。長さは、有効ネジ部より1ピッチ分以上長く作成します。角度は、1.789911°です。

f:id:kukekko:20200229225141p:plain

コイル 拡大側


基準の長さ部分のコイルを作成します。長さは、基準の長さ部分より1ピッチ分以上長く作成します。コイルは、反対側には作成できません。角度は、-1.789911°です。

f:id:kukekko:20200229225244p:plain

傾斜の縮小側


修正から、移動/コピーを選択します。

修正から、移動/コピーを選択します。

修正から、移動/コピーを選択します。

選択で、基準の長さ部分のコイルを選択し、タイプ移動に、回転、軸にY軸を選択し、角度に180°を選択します。

回転させて目的の向きにする

回転させて目的の向きにする

螺旋を取得するためのコイルが作成できました。2つのコイルを表示して、つながった位置に配置されることを確認してください。

螺旋を取得するためのコイル

螺旋を取得するためのコイル

コイルから、螺旋の3Dスケッチを取得します。

スケッチを作成します。

3D形状の作成は、スケッチを作成するところから始める事が多いです。

スケッチを追加します。

スケッチ平面はどこでも構いません。

XZ平面を指定します。

XZ平面は、正面図の向きに相当します。

XZ平面を指定します。

作成から、「プロジェクト/含める」、「3Dジオメトリを含める」を選択します。

作成から、「プロジェクト/含める」、「3Dジオメトリを含める」を選択します。

作成から、「プロジェクト/含める」、「3Dジオメトリを含める」を選択します。

コイルの稜線を選択します。

コイルの稜線を選択します。

コイルの稜線を選択します。

有効ネジ部側の螺旋のスケッチを取得できました。

有効ネジ部側の螺旋のスケッチ

有効ネジ部側の螺旋のスケッチ

同様の操作で、基準の長さ部側の螺旋のスケッチを取得します。

基準の長さ部側の螺旋のスケッチ

基準の長さ部側の螺旋のスケッチ

ねじの断面スケッチを作成する

XY平面にスケッチをねじの断面スケッチを作成します。

コイルから得られた螺旋のスケッチは、XY平面に接する形で得られたので、螺旋の端点とスケッチが重なるように、ネジの断面スケッチを作成します。

JIS B 0203に従って、ねじの断面スケッチを作成するには、かなり難しいです。丁寧に考えてスケッチを作成する必要があります。

ねじの断面スケッチをスイープで使用する関係上、断面スケッチは、パスに使用する曲線の端部に接続して描く必要があります。

XY平面を選択します。

XY平面を選択

XY平面を選択

作成ドロップダウンから、交差を選択します。

作成 - プロジェクト/含める - 交差

作成 - プロジェクト/含める - 交差

螺旋のスケッチとの交差を取得します。

螺旋のスケッチとの交差を取得します。

螺旋のスケッチとの交差を取得します。

円筒との交差を取得します。

f:id:kukekko:20200229225420p:plain

円筒との交差を取得する

取得した交差で、スケッチは、以下のようになっています。寸法は、別途追加しています。

f:id:kukekko:20200229225455p:plain

取得した交差

ねじの断面のスケッチを作成する

スケッチを作成します。

ここで示すスケッチより、優れたスケッチがあるかもしれないことに注意してください。

  • ピッチは、0.9071ですが、谷の位置は、ピッチの中心の距離にはありません。
  • ねじの山のフィレットと谷のフィレットは、同じ値にする必要がありますが、うまく拘束で設定する方法は見つけることはできませんでした。フィレットの値は、R=0.12444を指定しています。
  • Fusion360のスイープは、暴れます。スイープ時の自己交差を避けるために、ねじの山のフィレットは、スケッチには記入していません。スイープ実行後、フィレットを追加する必要があります。
  • ねじの傾斜は、tan-1(0.5/16)=1.789911°です。

ねじの谷のスケッチ

f:id:kukekko:20200229225528p:plain

ねじの谷のスケッチ

ねじの谷のスイープを作成する

ねじの谷のスイープを作成します。

「基準フィーチャサーフェス」で、スイープを選択します。

f:id:kukekko:20200229225633p:plain

サーフェス スイープ

パスとプロファイルの位置関係を確認します。

f:id:kukekko:20200229225712p:plain

パスとプロファイルの位置関係

パスとガイドサーフェスをタイプに選択し、プロファイルに、歯の谷の曲線を選択し、パスに螺旋を選択し、ガイドサーフェスに円筒を選択します。

f:id:kukekko:20200229225821p:plain

スイープ 拡大側のパラメータを指定する

スイープが作成されるのは、ガイドサーフェスとパスの両方が存在する範囲までです。結果として、必要な長さの端まで、ネジの谷が作成されていません。

f:id:kukekko:20200229225909p:plain

スイープが作成されるのは、ガイドサーフェスとパスの両方が存在する範囲まで

スイープで作成した曲面のみで、ネジの形状が作成できます。ねじの形状は問題なさそうです。

f:id:kukekko:20200229230020p:plain

スイープで作成されたネジの形状

後で、履歴を変更することにして、もう一方の螺旋についてもスイープを作成することにします。

f:id:kukekko:20200229230258p:plain

ネジ縮小側のスイープを作成


ねじの曲面が作成できました。

f:id:kukekko:20200229230335p:plain

スイープで作成したネジの曲面

ガイドサーフェスの円筒の大きさを変更する

スイープが作成されるのは、ガイドサーフェスとパスの両方が存在する範囲までのため、ガイドサーフェス

今回、ガイドサーフェスに使用した円筒は、作成したいねじの大きさピッタリの大きさで作成したため、両端の0.5ピッチ分の長さが不足しています。長めに作成して、必要な部分に切り取る必要があります。

ヒストリから、円筒を作成したスケッチを編集します。

f:id:kukekko:20200229230407p:plain

ヒストリを操作

スケッチの寸法を変更します。

f:id:kukekko:20200229230432p:plain

円筒の断面スケッチの長さを変更する

ねじが延長されました。

f:id:kukekko:20200229230459p:plain

ねじの長さを変更した

面で必要な部分を分割する

スイープで作成したネジの曲面をねじとして使用するためには、端部を整える必要があります。

面を分割ツールで曲面を分割する

サーフェスの修正には、面を分割ツールがあります。

f:id:kukekko:20200229230726p:plain

「面を分割」ツール

面を分割するには、プロファイル、面、平面が使用できます。

構築から、オフセット平面を選択します。

構築-オフセット平面

構築-オフセット平面

平面に、ブラウザから、原点、YZ平面を選択します。

f:id:kukekko:20200229230811p:plain

ブラウザで、YZ基準平面を指定する

オフセット平面を作成します。

f:id:kukekko:20200229230904p:plain

オフセット平面を構築する

もう1つのオフセット平面を作成する。

f:id:kukekko:20200229230927p:plain

オフセット平面を構築する

修正から、面を分割を選択します。

f:id:kukekko:20200229231016p:plain

面を分割

ねじの曲面は、複数の曲面で構成されているため、ブラウザのボディから選択することができません。そのため、矩形選択で対象とする分割する面を選択します。

f:id:kukekko:20200229231043p:plain

矩形選択で曲面を選択

分割ツールに、構築平面を指定します。

f:id:kukekko:20200229231123p:plain

分割ツールに構築した平面を指定する

分割しても、ブラウザのボディの項目では、2つのボディに分割されて表示されないので、選択は、困難です。

分割前

f:id:kukekko:20200229231206p:plain

分割前のボディ

分割後

f:id:kukekko:20200229231225p:plain

分割後のボディ

わからなかったのでフォーラムで質問して解決方法を教えてもらいました。

forums.autodesk.com

操作をやり直します。

ボディを分割ツールで曲面を分割する

「面を分割」ツールを使って曲面を分割すると、ブラウザで、異なるボディのまとまりになりません。

そこで、「ボディを分割」を使用します。

修正から、ボディを分割を選択します。

f:id:kukekko:20200229231301p:plain

修正 ボディを分割

それぞれの分割した面が、ボディに分割されます。

f:id:kukekko:20200229231329p:plain

ボディが、2つに分割される

不要なボディを除去します。

f:id:kukekko:20200229231427p:plain

不要なボディを除去する

もう一方のボディについても同じように操作します。

不要な部分が削除できました。

f:id:kukekko:20200229231458p:plain

不要な部分を除去したネジの曲面

両端の面を作成する

ねじの曲面が作成できましたが、両端が塞がれていません。両端を塞ぐ面をそれぞれ作成する必要があります。

ねじの曲面から、パッチを使用して両端の面を作成する

修正から、ステッチを選択します。

f:id:kukekko:20200229232045p:plain

サーフェス ステッチ

スイープで作成した曲面をステッチで結合します。

f:id:kukekko:20200229232121p:plain

スイープで作成したねじの曲面をステッチで結合

作成から、パッチを選択します。

f:id:kukekko:20200229232212p:plain

サーフェス パッチ

エラーが発生するので、パッチで穴を塞ぐことはできません。

f:id:kukekko:20200229232252p:plain

ねじの曲面をパッチで塞ぐことはできません

操作を元に戻します。

閉じたスケッチから、パッチを使用して両端の面を作成する

切断した際に使用した構築した平面を選択します。

f:id:kukekko:20200229232342p:plain

構築した平面を選択

スケッチを作成します。

3D形状の作成は、スケッチを作成するところから始める事が多いです。

スケッチを追加します。

作成ドロップダウンから、交差を選択します。

作成 - プロジェクト/含める - 交差

作成 - プロジェクト/含める - 交差

スケッチ平面との交差を取得します。

f:id:kukekko:20200229232433p:plain

スケッチ平面との交差を取得する

交差でスケッチが取得できました。

f:id:kukekko:20200229232503p:plain

ねじの曲面の端面のスケッチが作成できました

サーフェスの作成から、パッチを選択します

f:id:kukekko:20200229232212p:plain

サーフェス パッチ

スケッチから、パッチで、面を作成ししたかったのですが、閉じたスケッチから、平面は作成できませんでした。

f:id:kukekko:20200229232608p:plain

閉じたスケッチから平面は作成できない

別の方法を試します。

面を作成し、ねじの曲面でトリムし、両端の平面を作成する

基準フィーチャサーフェスを選択し、スケッチを選択します。

f:id:kukekko:20200229224617p:plain

サーフェス スケッチ

XZ平面を指定します。

XZ平面は、正面図の向きに相当します。

XZ平面を指定します。

スケッチを作成します。

f:id:kukekko:20200229232711p:plain

スケッチを作成

スケッチを押し出します。

f:id:kukekko:20200229232736p:plain

スケッチを押し出す

サーフェスの修正から、ステッチを選択します。

f:id:kukekko:20200229232045p:plain

サーフェス ステッチ

トリムの切断ツールに使用するねじの曲面をステッチで結合します。

f:id:kukekko:20200229232906p:plain

スイープで作成したねじの曲面をステッチで結合

サーフェスの修正から、トリムを選択します。

f:id:kukekko:20200229233037p:plain

サーフェス 修正 トリム

トリムツール、トリムする面の順に選択します。

f:id:kukekko:20200229233104p:plain

トリムで不要な部分を削除する

端の面が作成できました。

f:id:kukekko:20200229233148p:plain

完成した端面

同様に、反対側の端面も作成します。

作成した複数の面をステッチで結合する

すべての面をステッチで結合します。

f:id:kukekko:20200229233218p:plain

すべての面をステッチで結合

ブラウザのアイコンが変化しているので、ソリッドに変換されたのでしょうか?

f:id:kukekko:20200229233245p:plain

ブラウザのボディのアイコンが変化

確認してみると、コマンドから、ソリッドに変換コマンドがなくなっています。

テーパーねじの完成

テーパーねじ完成です。

f:id:kukekko:20200229233317p:plain

テーパーねじ