あれ？チタンは、海水に弱いのでは？

「チタンは海水や淡水に濡れても、チタンは錆びません。チタンの海水に対する耐蝕性は白金並みです。」という記述を見つけた。

あれ？認識と違う。

どこかで、「海上に作ったチタンのタンクが（海水と反応して）燃え尽きた」という事故事例を聞いたことがある。そのとき、「塩化チタンが試薬として存在するから、海水に対して耐食性が無いのは、当たり前だよね。」と聞き流していたのだけれど、世間（機械屋さん？）の常識では、違うらしい。

そこで、以前どこかで聞いた「海上に作ったチタンのタンクが（海水と反応して）燃え尽きた」事例をインターネットで探してみるが、見つからない。

いろいろ調べてみると、チタンが海水に安定なのは、常温域であり、100から130℃で、すでに「すきま腐食」が始まるそうである。この情報から、80℃以上の温度で、海水に触れる条件では使えない気がする。夏の日向に置いておけば、なにもしなけりゃ80℃ぐらいすぐ超える。このことから、「耐食性無い」と判断したほうが良いような気がするから、材質検討の項目に入れた時点でバカにされそう。だけど、「チタンの海水に対する耐蝕性は白金並み」という認識があるのなら、比較例の1つとしては入れておくべきなのか？判断に迷いそう（私なら入れない）。

チタンのすきま腐食とその防止佐藤廣士表面技術 Vol. 40, No 10, 1989, 1091-1096

チタンの発火事故と原因　駒宮功額安全工学, Vol. 20, No. 3, (1981) 160-163

製塩装置材料としてのチタンの腐食特性杉崎康昭・泊里治夫日本海水学会第48巻第4号 (1994) 273-280

トラブル事例と対策｜一般社団法人日本チタン協会

耐食性｜一般社団法人日本チタン協会

PAT型プラグヒーター　オールチタン製

「チタンの耐食性」は、「かなりキケンな話題」だ、発言に気をつけよう。