ドローイング空間

3D-CADを中心に、雑多なことをかいています。

96式装輪装甲車のタイヤ脱落と基本設計

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ニュース系のサイトので、自衛隊装甲車の車輪が脱落した記事の見出しが出ていたので、その記事のもとになった動画を探して見てみることにしました。

www.youtube.com

うん。見事に外れています。ホイールをする固定ボルトが折れたのでしょうか?きれいな壊れ方をしています。

 

以前、自衛隊のよく似た大きさのタイヤを使用する装備のタイヤとホイールの規格が統一されていないことを、「非効率」と指摘している記事を見てなるほどと思いました(その記事は探せませんでした)。この動画を見ると、タイヤとホイールの規格が統一されていないことをなるほどと思いました。足回りの設計が同じ規格の車両だけであれば、故障車両が続出して作戦が実行できなくなる可能性があります。そのように考えると、タイヤとホイールの規格を統一していないのは、意図的なのかもしれません。

話を戻すと、実際にどこがどうやって壊れたかによりますが、この車両、設計上考えられた意図的に壊れる部位が壊れている場合、短期間で修理が完了するはずです。たとえ、作戦中でも現地で修理可能で、作戦に復帰可能と思われます。壊れやすい部位を計画的に用意して、重要な部分に影響を与えないように、その壊れやすい部分を修理しやすくしておくという教科書的で、優れた基本設計の結果かもしれません。自動車関連の設計技術の厚みは、既に計り知れないものがあります。この動画の事例では、力の逃がし方と壊れやすさの値に検討の余地があるかもしれません。

タイヤがたくさんついているので、数本タイヤが無くても問題なく使用できる設計になっているので、そこまで考える必要がないと判断することも可能です。

それは、それとして、公道を走っているトラックのタイヤが、歩行者に向かって転がっていく事故が実際に起こっています。壊れても、タイヤが車両を離れて転がっていかない構造を考える必要があると思います。