ドローイング空間

3D-CADを中心に、雑多なことをかいています。

新規事業支援には、何が必要か?

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CADを扱っていると、汎用CADでは、日本製のCADは、あまり見かけないことが不思議に思えます。DOSから、Windowsへの移行期に、多くのアプリケーションが入れ替わったように、コンピューターOSの移行期に、開発環境の構築に手間取ることで、対応できるまでにシェアが変化し、いつのまにかなくなってしまうことがありますが、それだけではないような気がします。

 

一方、専用CADでは、まだまだ国産のアプリケーションは数多く存在します。

利用する企業が参入している市場が国際化している事で、英語文化のアプリケーションが必要になることで、シェアが変化している可能性もありますが、これが理由では無い気がします。

視点を変えてみます。

CADアプリケーションを開発するプログラマーは、どのような、技術的なバックグラウンドを持った人なのでしょうか?
パソコンで動作する最初の3D-CADと言われる「Pro/Engineer(現行、Creo)」は、ロシアの数学者が開発したと聞いたことがあります。

techfactory.itmedia.co.jp

パラメトリック・テクノロジー・コーポレーション - Wikipedia


3D-CADは、どのような技術的背景で生まれたのでしょうか?
3D-CADが、航空機、自動車の設計で多用されていることから推測すると、設計する部品の体積計算(つまり重量計算)、重心の算出作業の軽減が3D-CADの初期の導入目的である可能性があります。
それであれば、数学者の学術範囲です。流体解析の立体モデルの作成も多少外れているかもしれませんが、数学者の学術範囲と考えることができます。

しかし、現在、産業界が要求するCADは、数学者の学術範囲を越えて広がっています。

ここであらためて考えます。
CADを開発するエンジニアを支援するために必要なものは何でしょうか?

私が、必要と考えるのは、機密保持契約の必要ない大量の演習用の図面やモデリングの対象となる形状だと思います。言い換えれば、プログラム検証用の標準データです。

コンピューターの性能を評価するためにベンチマークと呼ばれるプログラムが存在します。性能を評価するためだけに、そのプログラムを実行し、実行時間を計測し、コンピューターの性能を比較します。

その他の分野でも同じ視点が必要です。比較して数値で示す必要は広く知られていますが、JISの測定法など、明確な検証方法が確率されている分野はごく一部です。

標準作業を設定し、その作業をさまざまな既存の方法で行い、それが実現できるのか、その所要時間は、必要な費用が明確にできれば、技術進歩も新規参入も開発資金の取得もより明確により容易に行えると思います。

どんな分野であれ、法規制の緩和、特定の研究への資金援助などよりも先に、性能を明確にする指標の確立は、新規事業を支援するための不可欠な要素だと思います。