ドローイング空間

3D-CADを中心に、雑多なことをかいています。

Fusion360で、台形ねじのモデリングの再挑戦

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Fusion360で、台形ねじのモデリングを行い、できなかったのですが、その記事に、モデリングのヒントとなるコメントを頂いたので、それを参考に、再挑戦して見ることにしました。

 

前回うまく作成できなかったモデル

前回うまく作成できなかったモデル

前回、らせんのパスを使って、スイープを実行できたのですが、久々に実行して見たところ、らせんのパスを使って、スイープを実行すると、同じ方法にもかかわらず、Fusion 360が、「応答無し」になって実行できませんでした。

kukekko.hatenablog.com

同じコマンドでも、内部処理が変更されているみたいです。でも、「エラー」はともかく「応答無し」は困ります。

3角ねじを作った後、半分の長さに変形して、先端を切除する方法

これは、id:bando_alpha さんにコメントで教えてもらった方法です。

前回と同じように、ターゲットとするモデルは、Tr20×4の台形ねじを作成します。JIS B 0216より、パラメータを読み取ります。

メートル台形ねじ基準寸法(JIS B 0216) 台形ねじ基準寸法

規格を参考に、作成するモデルの数値を考えます。

最初に作成するモデルの断面(※注 勘違いしていたので、きちんと作成できない寸法です)

モデリングする形状

モデリングする形状

モデリング

原点も軸も表示されていないと、どこにモデリングしているか把握しくくなります。

好みの問題ですが、私は、原点と軸を表示してモデリングしています。そして、グリッドは、非表示にしています。

原点と軸を表示するには、左側に表示されているブラウザから、原点の項目を展開し、表示させる項目の電球アイコンを点灯状態にします。

軸の色と軸の関係は、覚えてしまいましょう。

  • 原点 白丸
  • X軸 赤
  • Y軸 緑
  • Z軸 青

スケッチを作成します。

スケッチを作成

スケッチを作成

スケッチから、円、中心と直径で指定した円を選択します。

スケッチから、円、中心と直径で指定した円を選択します。

円を描きます。

直径16mmの円を描く

円を描く

スケッチを停止します。

スケッチが完了したら、スケッチを停止をクリックし、スケッチモードを抜けます。

作成から、押し出しを選択します。

押し出しコマンド

押し出しコマンド

押し出します。

押し出しで作成した円柱

押し出しで作成した円柱

次に、螺旋のオフセット平面を作成します。

これは、円柱と同じ長さのコイルを作成すると、端部まで、コイルが作成されないためです。

コイルの長さが足らないモデルの画像

円柱と同じ長さのコイルでは、コイルの長さが足らない。

構築から、オフセット平面を作成します。

構築から、オフセット平面を作成します。

1ピッチ分の長さ離れたオフセット平面を作成します。

ピッタリ必要なのは、0.5ピッチ分ですが、ピッタリの場合、計算誤差が意図しない結果をもたらすことがあるので、多めの値を使用します。

オフセット平面の作成

オフセット平面を作成する

作成ドロップダウンから、コイルを選択します。

作成のコイル・コマンド

コイル・コマンド

スケッチ平面に、作成したオフセット平面を選択し、原点の投影点を中心に、直径16mmのコイルの基準園を描きます。

コイルの基準円を作成する

コイルの基準円

コイルを作成します。高さは、「円柱の高さ+2ピッチ」です。

作成するコイルのパラメーター

コイルのパラメーターを指定する

コイルの不要な部分を削除します。

パッチ作業スペースに移動します。

パッチ作業スペースに移動する

パッチ作業スペースに移動する

修正から、ボディを分割を選択します。

修正、ボディを分割

ボディを分割コマンド

分割するボディに、ボディを選択し、分割ツールに、円柱の端面を選択します。反対側も同じように操作します。

コイルの不要な部分を分割する

ボディを分割コマンドで、コイルの不要な部分を分割する

ブラウザから、不要なボディを非表示にします。

不要なボディを非表示にする

不要なボディを非表示にする

このような形状になります。

コイルと円柱

コイルと円柱

モデル作業スペースに移動します。

モデル作業スペースに移動

モデル作業スペースに移動

修正から、尺度を選択します。

修正、尺度コマンド

尺度コマンド

エンティティにボディを選択し、点に原点を選択し、円柱方向の尺度に0.5を指定します。

尺度のパラメーターを指定する

尺度のパラメーターを指定

縮小することができました。

尺度変更後のモデル

尺度変更後のモデル

次に、不要な部分を切断します。

作成から、円柱を選択します。

作成、円柱コマンド

円柱コマンド

円柱の端面を指定し、直径20の円を描き、先程のモデルが含まれるように、ドラッグし、交差で、円柱を作成します。

作成した円柱との交差で、不要な形状を削除する

作成した円柱との交差で、不要な形状を削除

台形ねじの完成です。

台形ねじ

台形ねじ

形状を確認

形状を確認します。モデリングに失敗しています。

  • ネジ山と谷の大きさが異なります。
  • 角度が異なります。(目標 30°)

完成したモデルの断面形状

台形ねじ(失敗)の断面スケッチ

台形ねじ(失敗)の断面スケッチ

よく考えれば、当たり前なのに、モデリングするまで気が付かなかった。3角関数使って、ガッツリ計算しないとだめでした。

あ、よく読むと、コメントに書いてある。

「正三角形なので、角度が自動的に60度(水平から+-30°)になってしまう。所要の台形の開き角度2θ(この例では30°)に対して、ねじの軸方向にtanθ/tan30°倍スケールするとねじの斜面の角度が一致するという作図法です。台形の外側の四角形断面部分はまた別途作って結合させる。 」

ということは、もう1つのコメント、「通りすがり」さんの4角のコイルの角に面取り(Chamfer)する方法も、ネジの谷と山の大きさを一致させるために計算が必要ですね。あ、これもコメントにかいてある。

「ねじ」コマンドに、「JIS B 0216 」の台形ねじ、まだ、追加されないのかなあ。

試行錯誤で値を調整した

数学的に解いてはいませんが、試行錯誤で値を合わせてみました。

 

縮小前の形状の断面スケッチ(値調整後)

縮小前の形状の断面スケッチ(値調整後)

縮小倍率:0.4641

最終的な形状の断面スケッチ(値調整後)

最終的な形状の断面スケッチ(値調整後)

 

kukekko.hatenablog.com