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富士通、なくなっちゃうんじゃないの?

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富士通Lenovoは、2016年10月に、PC事業に関して、研究、開発、設計、製造に関する戦略的提携を検討していることを発表し、事業統合を計画しています。

富士通、まもなくLenovoとのPC事業統合で合意か ~コア事業成長と利益率確保のためPC事業分離を急ぐ - PC Watch

PC事業を売却したメーカーは、知っているだけで他にIBMNECがあります。

 

 PC事業を売却すると、通常、サーバーなどの他のハードウェア部門も立ち行かなくなります。PC事業が消費していた部品が無くなることで、部品の取引金額が大幅に減少するため、部品メーカーが、特注品の要望を無料、あるいは、優遇価格で対応することができなくなるからです。そして、部品の入手単価も高くなるはずです。その結果、研究開発や商品開発部門の速度が遅くなるだけでなく、その他の商品の部品を安価に入手することが困難になります。また、特注品の対応順位も下がることが推測されます。

 メーカーにとって、取引量は力そのものです。部材メーカーからの商品の提案、優遇価格、優遇対応など、すべてのムリの源泉になります。会計基準とは矛盾しても、大きいことはいいことなのです。

 PC事業を売却することで、その立場をすべて放棄することになるので、性能の高い部品を適正な価格でその部品の競争力がある期間に入手することが困難になります。その他の製品においてもその競争力を維持するのがより難しくなります。結果として、他社では扱っていない特徴的な製品でのみ収益を稼ぐ形に変化する必要があります。

 富士通は、電子部品も生産しているので、他社から供給できない部品は内製することも可能だとは思いますが、あまり良い方向には向かっていないような気がします。

 それを考慮してもPC事業を売却する必要がある何かがあるのかもしれません。