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テレビで紹介されていた民間の給付奨学金

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テレビ(日経プラス10[2017/03/22])で民間の給付奨学金について紹介されていました。 知らなかったのでメモ的に記載しておきます。

実際には、もっとたくさんあるようですが、その一部が紹介されていました。 収入制限が緩いものもあるので、世帯収入が多くても調べてみる価値があるそうです。

高校在学中に応募
 収入制限給付額(月額)指定校制
ジェイティ奨学財団 年収400万円未満 5万円(自宅)/10万円(自宅外)
電通育英会 課税所得300万円未満 6万円(入学一時金30万円)
公益財団法人 石橋奨学会 年収700万円以下 4.4万円(自宅)/5万円(自宅外)
伊藤謝恩育英財団(イトーヨーカドー   6万円(入学一時金30万円)  
大学在学中に応募
 収入制限給付額(月額)指定校制
三菱UFJ信託奨学財団 年収800万円 3.5万円

確認ポイント

  • ひも付きかどうか
  • 併用可能か
  • 奨学金の免除などが、廃止されている場合がある
  • 貸与型は、後で金額の変更が可能
  • 家族で、経済状態を共有し、大学に進学するために必要な費用を確認する。

テレビの内容は、ここまでです。

奨学金の前提

前提として理解しておく重要なことは、 奨学金は、「貧乏でも賢い人に教育の機会を与える」ことを目的にしていることを心にとめておいてください。 要は、同じ条件であれば、頭の良い順にもらえる権利があります。 裏返すと、普通や普通以下の学力の方は、相手にされていないことが多いです。

年収による比較である事、税制の適用によって、公正と考えるには少し?納得できない条件です。

  • 親が既に定年退職している(世帯資産が、仮に多くても年収が少ない)
  • 自営業(経費で収入を相殺できるので、サラリーマン世帯と比較して、年収当たりの生活水準が高い)

ただ、奨学金の目的は、貧しい人と助けるとこが目的ではなく、 より優秀な人材がさらに優秀になるための支援をすることが目的ないので、 公平性があまり重視されていなくても本来の目的からは、外れていません。

鋭才に、教育機会を与えて、さらに優秀な人材になってもらうことで、 より社会に貢献してもらうという、明治初期の国費留学と同じ考えが根底にあるのだとおもいます。

奨学金と貧困対策と混同しないことが大切

妊娠期や幼児期の栄養状態が悪いと頭が悪くなることは、 研究結果から明確な事実になっているそうです。 ただ、かなり昔の新聞記事で、 1日1時間ほど余分に勉強することでこの差を埋めることができると書かれていました。

関連した情報をネットで探したのですが、見つかりません。 かなり古い情報なので、既に主流から外れた意見なのかもしれません。

jp.wsj.com

healthpress.jp

https://www.nier.go.jp/kankou_kiyou/144-300.pdf

ただ、情報量の差や家庭の習慣の差は、そもそも当事者が、問題として認識できないので、対処しようがありません。

例えば、野球中継を観戦しながら、子供に、「プロ野球選手になるといいのに」、と言っている状態ではダメなわけです。 プロ野球選手になるための情報を集め、そのための環境を整え、一緒に練習に付き合う必要があるということです。 普通は、なってもらいたいという親が、情報を集めることも、子供と一緒に練習することもできません。 ビールを飲みながら、野球中継を観戦しているだけです。

ほとんどの人は、イチローのお父さんになれないのです。

結果、貧乏循環論を肯定する内容です。 そして、貧乏循環を破壊するための仕組みは、奨学金にはありません。別の何らかの仕組みが必要と思われます。

もし、世帯収入が低い家庭の賢い子供が、勉強したい場合は、高専や大学校を目指したほうが現実的です。 もちろん、そこまでの学力があればの話です。 高専や大学校に入学できるレベルまで、学力を上げることは、かなり大変なので、これもあまり現実的とは言えません。 それ以外には、ひも付き給付(卒業後数年の勤務義務があるが、学校費用と生活費が支給される)がある看護学校です。

先進国で一般的な、大学の無償化や高専や大学校の拡充を考える必要があるのかもしれません。 そして、それ以前に、生活保護世帯になったら、抜け出す仕組みが用意されていないとも言われていますので、 もっと身近な貧困について貧困から抜け出す仕組みや 完全な貧困に陥る前に支援する仕組みを作っておく必要があると思われます。