宅急便ドライバーの駐車違反から考えるコンパクト・シティ構想
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コンパクトシティとは、集約型の都市構造の形成することで、自治体の運営コストを低減しようとする試みです。商業地や行政サービスといった、生活上必要な機能を一定範囲に集め、効率的な生活・行政を目指すことです。
コンパクト・シティのメリット
インフラの維持コストが下がると言われています。
- 道路
- 上下水道
- 電気・ガス・水道・電話
- ごみ収集
- 公共交通
- 病院
- 商業地区
- 公共サービス
人口減少が進む中、どうやって自治体の運営コストを低減するかは、大きな問題です。
コンパクト・シティの形態
- 多極ネットワーク型
- 串と団子型
- アジサイ型
以上の3つがあります。
http://www.mlit.go.jp/hakusyo/mlit/h25/hakusho/h26/html/n1213000.html
コンパクトシティに限らず、ほとんどの構想は、大都市地区に勤務する方が考えるので、実際に運用すると検討が不十分と思われるところが多くあります。
最も幸せに暮らせる距離
狭い場所でぎゅうぎゅうに暮らしていくことが幸せと考えるのは、都市部で育った人だけです。
どこまでの空間を提供できるか?
- 人と人のいさかいが起きないために必要な距離が存在します。
- 大規模火災や災害の防止のためには、ある程度離れている必要があります。
- 公共交通や道路は、騒音や排ガス問題が発生するので、ある程度、離れていてほしい。
- 幼稚園や学校、商業地区、工場は、騒音や公害の発生するので、ある程度、離れていてほしい。
居住区の道路設計
コンパクト・シティの移動手段は、自転車を想定しているそうです。この時点で既に破綻しています。高齢者など、自転車の使用が危険になった人を、この時点で、既に排除しています。
「高齢者などの自家用車を利用しにくい人々が、歩いて商店街や公共公益施設を利用することができるようになる」と期待している人がいる様ですが、想定する距離はどれだけで、何分歩くのが許容できるのかという問題があります。2kmを20分で歩くことを許容すると半径2kmの町が想定できますが、これは、許容範囲と考えていいのでしょうか?
現実的には、自動車や電動ミニカーなどが通り、さらに、宅急便のトラックなどが、駐車しても問題ない道路と貨物輸送も行える公共交通機関が必要です。
※電動ミニカーは、一人乗りでは、役に立ちません。複数人乗車できることで、送り迎えが可能になります。
※安定収入が期待できる貨物輸送を中心に考えないと、公共交通機関は、すぐに赤字で廃止されると私は考えています。
結果として
結果として、かなり広々とした道路と、広大に広がった住宅地が必要な気がします。
コンパクト・シティは、我慢の町?
狭い場所でぎゅうぎゅうに暮らし、近所とトラブルを起こさないようにいろいろ我慢を強いられる取り組みになるのではと考えてしまいます。
少し考えただけでも、現実から、遠く離れた構想のような気がするのです。
実際のところは、どうなのでしょうか。