Fusion360で、台形ねじをモデリングしようとしたけど、できなかった。
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Fusion360では、作成ドロップダウンのねじ機能に、台形ねじの機能が用意されていますが、 日本国内での台形ねじJIS B 0216の規格と異なります。 台形ねじがモデリングできないか、確認して見ましたが、らせんのスイープは、Fusion360では、いろいろ制約があります。 確認した時点のFusion360 (2.0.2317)では、台形ねじは作成できないと判断していいようです。
200mmの長さのTr20×4の台形ねじを作成します。JIS B 0216より、パラメータを読み取ります。
台形ねじをねじツールでモデリングします。
ブラウザの一番上で、右クリックして、新規コンポーネントを作成します。
コンポーネントに名前を付けます。
「スケッチを作成」を選択します。
スケッチ平面にXZ平面を選択します。
軸と原点を表示させます。基準平面は非表示にします。
原点を中心に20mmの円を描きます。
作成ドロップダウンから、押し出しを選択します。
長さ200の円柱を作成します。
作成ドロップダウンから、ねじを追加します。
ねじのタイプから、「ISOメートル台形ねじ」を選択します。
パラメーターを設定し、円柱の側面を選択します。
作成してみると、なぜか、わたしの考える台形ねじの形状とは異なって見えます。
形状を測定してみると、全く異なることが分かります。
台形ねじをスイープを使って、モデリングします。
では、気を取り直してモデリングします。
ファイルメニューをクリックして、新規デザインを選択します。
ブラウザの一番上で、右クリックして、新規コンポーネントを作成します。
コンポーネントに名前を付けます。
軸と原点を表示させます。基準平面は非表示にします。
作成ドロップダウンから、コイルを選択します。
平面を選択します。
中心点を指定します。
コイルの直径を指定します。
タイプを高さとピッチに変更し、作成する台形ねじのパラメーターを入力します。
修正ドロップダウンから、移動を選択します。
コイルを選択し、ピッチ分下に移動します。
「スケッチを作成」を選択します。
平面を選択します。
スケッチドロップダウンから、「投影/含める」、「交差」を選択します。
コイルの端面を指定します。
スケッチします。
作成ドロップダウンから、円柱を選択します。
平面を選択します。
中心を選択します。
直径を指定します。
高さを指定します。
コイルから、らせんのスケッチを取得します。コイルを表示し、
作成ドロップダウンから、「投影含める」→「3Dジオメトリ」を含めるを選択します。
平面を選択します。この際に、選択する平面は、どれでも構いません。
必要な稜線を選択します。
ボディの表示を消すと、らせんがスケッチに追加されていることが確認できます。スケッチを停止します。
作成ドロップダウンから、スイープを選択します。
操作に、「新規ボディ」を選択し、計算に時間がかかるので、パスは、すべてのパラメータを設定した後に指定します。 ストップウォッチで、時間を測定するといいかもしれません。 わたしの環境では、処理が終了するまで、5分ほどかかります。エラーが発生して、処理が失敗します。
キャンセルを押して、失敗した操作を終了します。円柱の表示を消して、再度、スイープを実行して見ます。
波打ったコイル形状が完成します。意図した形状ではないので削除します。
円柱のパラメーターを変更します。
タイムラインのスケッチアイコンをダブルクリックして、スケッチを変更します。
スケッチを変更し、スケッチを終了します。
作成ドロップダウンから、スイープを選択します。
単一パスのスイープで作成するとまっすぐになりません。
まっすぐ、押し出されないのは、スイープ断面が、わずかに回転しながら押し出されるのが原因です。
パフォーマンス上の問題が発生したので、内容を張り付けておきます。
[GPU 情報]
GPU デバイス: NVIDIA GeForce GTX 760
GPU RAM: 2048 MB
GPU ドライバのバージョン: 1.5.891
GPU ドライバの日付: 06/09/2016
[グラフィックス効果の設定]
アンチエイリアシング: オン
アンビエント オクルージョン: オン
オブジェクトの影: オフ
影付き: オン
地面の反射: オフ
選択の表示スタイル: 標準
透過性の効果: パフォーマンス向上
[パフォーマンスを最適化するために効果を制限]
オフ
そこで、表示の項目内の効果をすべて無効にします。
高性能なグラフィックカードがほしくなります。
別名保存して終了します。
台形ねじの別のモデリングルート
ここまでの結果から、台形ねじは、 Fusion360では、モデリングできないと結論付けていいような気がしますが、別のモデリングルートを考えて見ます。
1ピッチ分の台形ねじを作成し、配列複写で、必要な長さの台形ねじを作成できないかを検証します。
ファイルメニューをクリックして、新規デザインを選択します。
ブラウザの一番上で、右クリックして、新規コンポーネントを作成します。
作成したコンポーネント内の原点から、
軸と原点を表示させます。基準平面は非表示にします。
作成ドロップダウンから、コイルを選択します。
平面を選択します。
中心点を指定します。
コイルの直径を指定します。
タイプを高さとピッチに変更し、作成する台形ねじのパラメーターを入力します。
修正ドロップダウンから、移動を選択します。
移動します。
コイルから、らせんのスケッチを取得します。コイルを表示し、
作成ドロップダウンから、「投影含める」→「3Dジオメトリ」を含めるを選択します。
平面を選択します。この際に、選択する平面は、どれでも構いません。
必要な稜線を選択します。
ボディの表示を消すと、らせんがスケッチに追加されていることが確認できます。スケッチを停止します。
作成ドロップダウンから、円柱を選択します。
平面を選択します。
中心を選択します。
直径を指定します。
高さを指定します。
「スケッチを作成」を選択します。
スケッチ平面にXY平面を選択します。
先ほど作成した、コイルのスケッチを表示します。
スケッチを作成します。
コイルの高さが足らないことに気が付いたので、タイムラインのコイルアイコンをダブルクリックします。
パラメーターを変更します。
作成ドロップダウンから、スイープを選択します。
切り取りでスイープを実行するとエラーが発生します。
新規ボディで実行すると実行できますが、ねじれが無視できません。
3回転で、ここまでねじれています。使えないのでキャンセルします。
スケッチを開いて、寸法を確認しておきます。
ブラウザで、コイルをコピーします。
ボディに貼り付けます。
スケッチの幅分移動させます。
コイルから、らせんのスケッチを取得します。コイルを表示し、
作成ドロップダウンから、「投影含める」→「3Dジオメトリ」を含めるを選択します。
ヒストリで、断面のスケッチを一番最後まで移動させます。
断面のスケッチを修正します。下の2本の線を消して、作成したコイルの端点を利用して書き直します。
赤い丸の中が黒くなっているところがポイントです。
作成ドロップダウンから、スイープを選択します。
タイプにパスとガイドレールを選択し、スイープを実行します。
エラーが発生します。
確認した時点のFusion360 (2.0.2317)では、台形ねじは作成できないと判断していいようです。