ドローイング空間

3D-CADを中心に、雑多なことをかいています。

構想設計の段階から3D CADを活用する方法の触りの部分が書かれた本

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3D CADは、既存の部品を組み合わせて目的のものを作成するアセンブリ機能を持っています。3D-CADで、完成したものを作る時、アセンブリ機能で、設計が完了した部品を組み合わせて製品を作成するため、結局、ある程度まで完成したあと、それぞれの部品のすり合わせの収集がつかなくなり、新たにモデリングしなおす手戻りが発生します。

 西川誠一氏によって執筆された「手戻りを撲滅する!超・実践的3次元CAD活用ノウハウ」は、3D-CADを使ってモデリングする際に発生する、この手戻りをどうやって解消するかの手がかりを提示した挑戦できな書籍です。

 

この本は、CAD関連の書籍として珍しく薄い本です。106ページしかありません。

どのようなものを作るかという構想設計の段階では、機構や構造のアイデアは、ポンチ絵のようなぼやっとしたものから作成し、次第に詳細を詰めていきます。一方、3D-CADのアセンブリ機能では、きちんと詳細が決められた部品を組み立てて行きます。

つまり、構想設計の考える方向が「全体から詳細へ」なのに対して、3D-CADの手順が「詳細から全体へ」逆になることを問題として指摘しています。

この違和感は、3D-CADを使って、自分で考えたものをモデリングしようとする場合、誰もがぶつかる問題です。

書籍の中では、これに対する解決方法が提示されています。

構想設計の段階で、円柱や直方体といった単純な形状構成された、模式的な部品を作成し、それをアセンブリ機能で組み合わせて構想設計の段階を完了するという方法です。

その後、円柱や直方体といった単純な形状構成された、模式的な部品を詳細な部品として作り込むことで、手戻りを防ぐという方法です。

本の薄さが示すように、具体的な作業方法が、例題やチュートリアルとして提示されていないため、できそうだけどどうやったらいいのかわからないのでモヤっとする本になっています。

設計経験が豊富な人であれば、この本の内容で、具体的な方法が思い浮かぶのかもしれませんが、私にとっては、セミナーや講習会のパンフレットのように、魅力的なことが書かれているけど、細かな問題点は思い浮かぶものの具体的なやり方が思い浮かばないモヤっとした気持ちになりました。