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胃がんの原因はピロリ菌?

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現在、日本人の死因で最も多いのは、「ガン」です。

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一方、胃がんの死亡者は、緩やかにですが、減少しています。

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国立国際医療研究センター 上村直美氏らの研究により、胃がんの主な原因が、ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)であることが分かってきました。

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概要

  • ピロリ菌の感染率は、60代(1948~1957年生まれ)では5割感染している。
  • ピロリ菌を胃から除去できれば、胃がんの発症率は、3分の1に減少する。
  • ピロリ菌の検査は、自宅で簡単にできる。

    医療機関で健康保険を使って検査する場合は、胃カメラ検査を受ける必要がある。

  • ピロリ菌は、飲み薬で治療できる。

胃がんとピロリ菌の関係

10年間の追跡調査によると、ピロリ菌を保有していない人では、10年間胃がんの発症が見られなかった。ピロリ菌に感染している人では、5%の方に、胃がんが見つかった。

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ピロリ菌の感染者は、若年者ではほとんどいません。 それは、上下水道が整備される以前に幼少期を過ごした方の感染率が高く、上下水道が整備されて以降は、感染者が激減しています。そのため、ピロリ菌は、水系感染すると推測されています。 ピロリ菌は、5歳未満の免疫機能が完成していない時期に感染します。それ以降に感染することはほとんどありません。

そのため、あと30年もすると、胃がんはまれな病気になることが予想されています。

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スナネズミを用いた実験では、発がん物質を飲ませただけのネズミと比較し、 ピロリ菌に感染しはずガン物質を食べたネズミは、その発症率が大幅に高いことが分かっています。 ピロリ菌に感染したネズミでも除菌したネズミでは、胃がんの発生率は、3分の1に減少しました。

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日本では、既に、自然界にはピロリ菌は、ほぼ存在しないと言われています。感染者の胃の中だけに存在します。 そのため、感染経路は限られており、保菌者の胃から、ゲップでピロリ菌が口の中まで上がってきた際に、 5歳未満の子に食べ物を口移しであげるとまれに感染します。 また、ゲップしやすい保菌者は、感染させやすいことが知られています。

ピロリ菌の検査方法

  • 医療機関で調べる

    保険診療でピロリ菌検査を受けるには、内視鏡検査で胃に炎症があることが確認されている必要があります。内視鏡検査で、異常がないとピロリ菌検査は保険診療になりません。

    内視鏡検査を受けたくない場合は、自費診療で、健康保険を使わずにピロリ菌検査を受けることができます。

  • 自治体や企業の「胃がんリスク検診」

    診療コストが抑制できることから、バリウムを飲んでレントゲンを受ける代わりに、血液から胃がんの有無を調べる「胃がんリスク検診」をする場合が増えています。ピロリ菌の有無を調べる検査と胃炎の有無を調べる検査を組み合わせて、「胃がんになりやすいか」を分類する方法です。

  • 検診キット

    血液、尿、便、呼気などを送付

    1回 3000円~7000円

    検便が精度が高いが、検査キットでは、採血や採尿が中心となります。

    採血や採尿では、感染している人が、偽陰性になることがある。そのため、陰性の結果の場合、もう1回、他の種類の検査キットを試したほうが安心です。

本当に、ピロリ菌に感染していない人は、一生、胃がんになりません。そのため、自分がピロリ菌に感染していないことを正確に調べることが重要です。

除菌診療の流れ

  1. 1次除菌で、朝と晩に5錠ずつ、7日間飲み続けます。(約3000円~5000円)
  2. 4週間以上あけて、一般には呼気テストでピロリ菌検査を行います。
  3. 除菌に失敗した場合(2次除菌)、抗生物質を変えて、7日間飲み続けます。(約3000円弱)
  4. 除菌できなければ、再度、除菌を行います(3次除菌)が、その場合は、自費診療になります。(約10000円)
  5. 3次除菌の最終検査(約3000円)

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ピロリ菌の除菌の副作用

治療のリスクは、抗生物質の副作用。主治医の指示に従ってください。高齢者の場合は、除菌を行わずに様子を見ることがあります。 ただ、50~60歳の場合、感染している人は除菌したほうがいいそうです。

2017-01-06放送 日経プラス10 | BSジャパン より