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私は、石になりたい。外国人労働者に対する意識と社内教育

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ニュースで、世代間によって、外国人労働者に対する受け止め方が異なっていることが紹介され、コメンテーターが、「実際に、外国人と一緒に働いてみたら否定的な意識が解消される」と言っていました。

 

日経プラス10 | BSジャパン

ニュースを見たときに、控えておかなかったので、どのデータをもとにコメントしたのかは、既にわかりません。代わりに、内閣府の「外国人労働者受け入れの世論調査」リンクを貼り付けておきます。

外国人労働者の受入れに関する世論調査

私は、そのコメンテーターとは、逆の意見です。「実際に、一緒に働いてみたら否定的な意識が芽生える」です。もちろん、外国人に対してでもなく、日本人に対してでも同じです。利害関係が無ければ、良い感情も悪い感情も発生しません。そのため、ニュースやドラマ、映画、小説、漫画などのメディアによるイメージがそのまま反映されます。しかし、仕事や生活で、利害関係が発生するとそれを調整する必要が発生し、その調整の労力が一定の閾値を超えると、悪感情に変化します。

つまり、「実際に、外国人労働者と一緒に働いた人の方が、外国人労働者に対する悪感情を持っている」と考えています。

もちろん私が勘違いしている可能性があります。おそらくですが、統計調査の設計が、問題を解決する目的ではなく、問題意識を持っている人を批判する目的で作られているのではないかと推測しています。層別の問題で、調査で、問題が表面に現れなかったものと思われます。

では、なぜ、そのコメンテーターと私は、意見が異なるのでしょうか。

これは、3つの視点で考えれば説明がつくと考えます。まず、労働者階級の違いです。これは、年収によってある程度層別できます。次に、距離感、そして、職責で説明がつくのではないかと考えています。

  • 労働者階級
  • 距離感
  • 職責

労働者階級による意識の違い

アナリストや専門家が、調査、報告を主目的とする業務で、一緒に働いている場合は、問題は、ほぼ発生しません。その人の専門での能力で冷徹に判断され、無能であれば、排除され、有能であれば評価される明確な世界であるためです。そして、国籍に関係なく、周囲から認められていれば、奇行が目立っても法律から大きく逸脱していなければ、許容される文化があります。おそらく、これが、コメンテーターの立ち位置だと思います。

距離感による意識の違い

接触が無ければ、良い感情も悪い感情も発生しません。一部の国では、政府やマスコミによるアジテーションで、全く接触がない人に対して悪感情を植え付けている例もありますが、基本的には、実害が無ければ、悪感情は、発生しません。悪感情を持っている人の原因が、実体験や自分の目で見たものと他者やマスコミやドラマなどの伝聞によるものかを層別することが大切になります。

職責による意識の違い

伝聞によるので正確さに掛けますが、外国では、指示をする人(上司)が指示をする人(部下)に対して、評価権限、つまり、「給与を変更する権利」を持っているそうです。それが転じて、「給与を変更する権利」を持っていない人は相手にする必要がないと考える文化を持った国の方がいます。

その場合、自分と外国人労働者の立ち位置によって、かなり、意識が異なります。

日本社会では、「太鼓持ち」などと呼ばれる、かなり嫌われる行為を(給与向上を)アピールするために、あからさまに、積極的に行うことで、職場の雰囲気を急速に悪化させる中心人物になります。

この状況では、「給与を変更する権利」を持たない職場のリーダーが、板挟みになり精神疾患になったり、職場の生産性を維持できずに、戦力外通告を受ける(そして、新天地へ...)ことになります。

私は、石になりたい

もちろん、どんな状況でもうまくまとめる対人スキルを持っていれば別ですが(このような特殊スキルは、営業分野で好成績を出し続けることができるので、外国人労働者と一緒に仕事をする例はまれ)、結果として、距離を保てる職責にいるか、仕事の指示や教える立場にいない場合を除いて、体育会系のパワハラ運営(「給与を変更する権利」を持たない状態で行うのは、ある種の謎スキルを持っていないと困難)をするか、精神疾患になるか、新天地を求めるかの選択になります。

せめて、細かな問題を片付ける

必ず問題になる上に、ほとんど許容されない問題があります。5S活動の成果なのか、以下の2点は、その傾向が強いです。

  • ごみの分別
  • 職場の清掃

ごみの分別

事業所ごとに、分別の方法や分別すごみの種類が異なり、外国人でなくても覚えにくいものです。それを、外国人に理解してもらうのは、困難です。とはいうものの、ごみ袋の中身を再度分別するのを繰り返すのは、状況悪化の始まりです。民泊問題でも、社会問題化しています。

余力があれば、分別の意義を理解してもらうために、地域の清掃センターや下水処理施設への見学を企画しましょう。事情を話し、市役所内で、該当する外国語を話せる方を同行してもらうことができないかも相談してみましょう。

自治体によっては、外国語で分別マニュアルを作成、公開している場合があります。それを活用して、その国の言葉を理解している人に、理解を促す資料を作成してもらうことを考えましょう。

英語版 家庭ごみと資源の分け方出し方|東京都北区

英語版、中国語版、ハングル語版があります。

外国語版(9ヶ国語)資源とごみの分け方・出し方ガイド - 綾瀬市役所

英語版、ポルトガル語版、スペイン語版、中国語版、韓国語版、タカログ語版、タイ語版、ベトナム語版、ラオス語版があります。

ごみの分別パンフレットと収集日一覧 | 大垣市

英語版、中国語版、ポルトガル語版があります。

職場の清掃

掃除は、専門の方が行うところもありますが、そうではない職場もたくさんあります。

職場のみんなで掃除をし、それを真似して行ってくれることを期待することにする対応があります。ただ、しない人は、絶対にしません。みんなで掃除を行うとどこかに行ってしまい、掃除が終わったころに帰ってくる行動をする方がいました。どうしても譲れないことなのかもしれません。能力が職場のメンバーが一目置くほど高ければ、問題になりませんが、そうでない場合は、面倒なことになることが多いです。

他に良い方法は、存在するのでしょうか?

外国人労働者活用のしわ寄せは

外国人労働者採用のしわ寄せは、結局、しわを寄せやすいところにきます。外国人労働者は、上手く利用できれば、強力ですが、うまく使うには、まだ、特殊スキルが必要な気がします。特殊スキルを持たない1人としては、外国人と楽しく働くための方法を開発して、提供してもらいたいものです。